2010 Fiscal Year Annual Research Report
はり中央部を部分構造モデルに置換した鋼二層ラーメンの地震応答に関する実験と解析
Project/Area Number |
20560452
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Research Institution | Daido Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒造 敏廣 神戸市立工業高等専門学校, 都市工学科, 教授 (90137175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水澤 富作 大同大学, 工学部, 教授 (60113081)
山田 宰 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (30550173)
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Keywords | 鋼製ラーメン橋脚 / はりのせん断座屈 / 地震応答 / 汎用FEM / オンライン実験 / サブストラクチュア |
Research Abstract |
本研究では,箱形ばり中間部がせん断崩壊する鋼門形ラーメンの地震応答解析を行った.まず,はり中央部を汎用非線形構造解析ソルバーのFEMモデルに置換して,弾塑性有限変位解析プロセスを構築し,オンライン実験法に準ずる仮動的な地震応答解析法を示した.つぎに,ラーメンの地震応答解析を通じて,補剛されたフランジプレートを持つ箱形ばりのせん断崩壊性状,及び,それがラーメン全体の復元力-変位関係に及ぼす影響を調べた.そして,柱基部の損傷と履歴エネルギー分担の点から,箱形ばりがせん断座屈崩壊するラーメンの地震応答の特徴をまとめた. 主な結論を以下に列記する. 1)箱形ばり中央部を薄肉シェル有限要素でモデル化して弾塑性有限変位解析を行うプロセスを構築し,オンライン実験に準じて,門形ラーメンの地震応答解析を進める仮動的解析の手法を示した. 2)せん断崩壊する箱形ばりにおいて,フランジプレートの縦補剛材の曲げ剛比の変動(必要剛比の3~5倍の範囲)が柱基部の塑性変形性状や履歴エネルギー分担に及ぼす影響は小さい. 3)箱形ばり中央が早期にせん断座屈崩壊するとき,抵抗せん断力の低下・変動が著しくなると,履歴エネルギーが低下し,はり中央部には,柱基部の塑性変形を抑えるエネルギー吸収部材としての効果を期待できない. 4)このとき,はり中央部の履歴エネルギー分担の下限は,はり腹板の降伏点をせん断座屈応力に置き換えて,ラーメンのプッシュオーバー解析を行うことにより,ほぼ評価できる.
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