2008 Fiscal Year Annual Research Report
耐震設計の高精度化を目的とした表層地盤の減衰パラメータ設定法の実用化
Project/Area Number |
20560456
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
辻原 治 Wakayama National College of Technology, 環境都市工学科, 教授 (50188546)
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Keywords | 耐震 / 地盤震動 / 減衰パラメータ / 同定 |
Research Abstract |
地表および地中の地震動特性は,震源機構,伝播経路,サイト特性などの影響を受ける.とくに表層地盤の応答特性は地震動に複雑な影響を及ぼすため,地震時地盤の動特性を明らかにすることは耐震設計や被害予測の上できわめて重要である. 近年,地盤震動の鉛直アレー観測が実施されるようになり,これらを用いた地盤同定が行われるようになった.このような地盤同定を行う方法がいくつか提案されているが,水平成層地盤構造を仮定した場合にS波速度の構造を推定することについては成果を上げている.しかし,減衰パラメータの推定については,その精度向上が大きな課題となっており,耐震設計の際,地盤震動や地盤-構造物の連成解析に必要な地盤の減衰パラメータの適切な指標が未だ示されていないのが実情である. 本研究は,表層地盤の減衰パラメータ(減衰定数あるいはQ値)の適切な指標の構築と実用化が目的であり,これは構造物の耐震設計や地震被害予測の高精度化にとって必要不可欠である 平成20年度は,パラメータの最適化の初期の段階で遺伝的アルゴリズムを導入し,安定的に減衰パラメータを推定できるように,同定手法を改良した. また,防災科学技術研究所の強震観測網KiK-NETにおけるいくつかの観測点の周辺地形を調査し,同定に適した地点か否かを判定した. さらに,東北地方の岩手県のKiK-NET観測点について,複数の地震によって得られた地盤震動の同時観測記録を用いて,同一地点で一貫性のある結果が得られるか否かについて検討した.その結果,すべての地点ではないが,いくつかの地点で類似した減衰パラメータの推定値が得られることが明らかになった.
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Research Products
(4 results)