2010 Fiscal Year Annual Research Report
耐震設計の高精度化を目的とした表層地盤の減衰パラメータ設定法の実用化
Project/Area Number |
20560456
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
辻原 治 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (50188546)
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Keywords | 耐震 / 地盤震動 / 減衰パラメータ / 同定 |
Research Abstract |
独立行政法人防災科学研究所は基盤強震観測網KiK-netを全国に展開しており,約700の観測サイトにおいて地表と地下の地盤震動を同時観測し,データをオンラインで集約している.これらのデータはウェブサイトからダウンロードでき,地盤動特性の同定など種々の用途に利用されている.地下に設置された地震計については,設置方位の調整が困難なことから,その埋設方位がずれている場合があり,同研究所によって設置誤差が推定され公開されている.しかし,地下の地震計のみならず,地表地震計についても設置方位に誤差があるケースが指摘されている.著者らは,地表地震計の設置方位誤差が地盤同定に及ぼす影響について検討し,誤差が大きい場合には,同定に影響があることを確かめた.そこで,日本全国に設置されているKiK-netのサイトについて,同一地点でできるだけ複数の記録を用いて,地表地震計の設置方位を推定し,これを考慮した地盤同定を行うシステムを作成した. KiK-netのサイトの周辺地形について,兵庫県と高知県の一部の調査を行い,同定に適するか否かの判定を行う資料を収集した.これまでの調査の結果を踏まえ,引き続きKiK-netの地震観測記録を用いて,地盤同定を行い,地盤の減衰パラメータQ値のデータの蓄積を行った. また,国内外の学協会において研究成果を論文発表または口頭発表し,研究の成果と意義などを広く社会にアピールした.
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