2011 Fiscal Year Annual Research Report
耐震設計の高精度化を目的とした表層地盤の減衰パラメータ設定法の実用化
Project/Area Number |
20560456
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
辻原 治 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (50188546)
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Keywords | 耐震 / 地盤震動 / 減衰パラメータ / 同定 |
Research Abstract |
1)KiK-NET観測点の周辺地形調査と可同定性の評価 KiK-NET観測点は,平地のみならず山間部や斜面にも設置されている.一方,地盤同定問題の定式化においては,水平な多層地盤を仮定していることから,同定の精度は観測点の周辺地形と関係する. 本研究では,近畿,東海,四国,九州の各地方を中心にKiK-net観測点の現地踏査を行い,周辺地形を調査するとともに,同定に適する地点かどうかの評価を行った, 2)Q値の周波数依存性の同定 KiK-net観測点のうち数地点について,それぞれ複数の地震による地盤震動の鉛直アレー観測記録を用いて当該地盤の同定を行った.それぞれの地点において,Q値の推定値のばらつきが十分に小さいとは言えないまでも,Q値の周波数に対するトレンドをより明確に抽出することができた. 3)Q値のモデル化 Q値が周波数に依存しないモデルを用いると,地表から地下100m程度までの地盤構造と地表から地下150m程度以上の地盤構造では,Q値の同定結果に違いがあることを示唆する結果が得られた.39の地震の際に16のKiK-net観測点で得れた地震記録を用いて60ケースの同定結果を分析したところ,地下100m程度までの地盤であれば,地盤構造に依存せずQ値は同程度の値となり,地下150m程度までの地盤であれば,平均s波速度にほぼ比例してQ値が大きくなるという傾向があることがわかった、 しかし,このことに対する物理的な解釈ができておらず,上述の仮説が成り立つか否かについては,同定結果を蓄積しながら今後も検証する必要がある.
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