2009 Fiscal Year Annual Research Report
荷重の変動を考慮した支持力・安定性評価に対するシェイクダウン解析の応用について
Project/Area Number |
20560461
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 俊一 Kanazawa University, 環境デザイン学系, 助教 (10243065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 武 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026330)
西藤 潤 京都大学, 工学研究科, 助教 (40456801)
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Keywords | 地盤工学 / シェイクダウン解析 / 繰返し荷重 / 支持力 |
Research Abstract |
基礎構造物の支持力解析や土構造物の安定性評価は、多くの場合、ある荷重状態を想定した静的な解析を行うものであった。しかしながら、実際に構造物に作用する荷重は必ずしも一定ではなく、地震力、風力、波力、漸力といった自然環境外力や交通荷重、振動荷重と言った人為活動に由来する外力の多くは、時間と共に変動する荷重である。このような変動する荷重に対して構造物が最終的に安定であるか否かを評価する方法は2つに大別できる。すなわち、時間域で挙動を逐次的に追いかけて構造物の安定性を増分形弾塑性解析法で評価する『発展的な方法』と、構造物が最終的に弾性応答に落ち着く(つまり弾性シェイクダウンを示す)状態に対して時間によらない自己釣合応力場を求めることで構造物の安定性を評価する『直接的な方法』である。さらに、直接的な方法には、構造物が弾性シェイクダウンを示す限界となる荷重を評価する『シェイクダウン解析法』と所与の繰返し荷重に対して構造物の塑性変形量の上限を評価する『バウンディング・テクニック』が含まれる。 本研究では、バウンデイング・テクニックについて、その数理的な構造を調査し、有限要素法による空間離散化と、荷重領域の区分線形化を利用した具体的な定式化について検討した。その結果、バウンディング・テクニックもシェイクダウン解析法と同様の定式化が可能であるごとを示した。また、その類似点と相違点についても具体的に示した。 さらに、載荷条件がノイマン条件ではなくディリクレ条件として与えられる場合の基礎の支持力評価法に関して、混合型による解析法についても検討を行い、具体的な解析コードを開発して、その妥当性を検討した。その結果、別解法による既往の結果と良い一致を示した。また地盤材料の自重が塑性域の形状に与える影響についても検討し、自重が小さい摩擦性材料の場合には、塑性域が側方に大きく広がることを確かめた。
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