2010 Fiscal Year Annual Research Report
荷重の変動を考慮した支持力・安定性評価に対するシェイクダウン解析の応用について
Project/Area Number |
20560461
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 俊一 金沢大学, 環境デザイン学系, 准教授 (10243065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西藤 潤 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40456801)
|
Keywords | 地盤工学 / シェイクダウン解析 / 繰返し荷重 / 支持力 / 安全率 / 混合型 / 有限要素法 |
Research Abstract |
・ 斜面安定解析に用いられる各種評価法から、極限解析法とせん断強度低減法(SSR)を取り上げ、両者を応用力学的・応用数学的な見地から比較した。安全率の定義は評価方法によって異なることは、案外理解されていない。極限解析法やシェイクダウン解析法は荷重係数の形で安全率を定義するが、一方SSR法ではせん断強度に対する余裕度(比)を安全率と定義する。そこで小林は、比例載荷問題を取り上げ、これらの安全率を議論してその大小関係を明らかにした。さらに実設計への展開を想定し、その注意点を指摘した。 ・ 混合型の定式化を行うと、数値解析上はアワグラスモードの処理が重要となることが明らかとなった。そこで西藤は極限解析法(混合型剛塑性有限要素法)について、応力場の形状関数の改良によつて、アワグラスモードとロッキングを解消できる方法を開発した。シェイクダウン解析法は、極限解析法とほぼ同様の理論構造で数値解析を行うため、この応力場形状関数の改良は、数値解析の安定性や精度の向上に大きく貢献することが期待できる。 ・ 応力場形状関数の改良を踏まえて、シェイクダウン解析法の定式化についても一部改良を行った。本質的な数値解析のフローは同じであるが、解くべき変数が増加したため、数値解析に必要となる具体的な式について、全て書き換えを行った。また、解析に必要となる線形弾性応力場も、変数が増えるために通常の変位法の解とは異なる。そこで、補ひずみエネルギー最小原理に基づく混合型の線形弾性有限要素法を定式化し、応力場の解を得るための数値解析手法について、具体的な式を導出した。現時点では、理論的検討と定式化の書き換えレベルに留まっており、具体的なコードを開発し、数値実験を行うには至らなかった。数値解析による検証は喫緊の課題であり、引き続いて研究に取り組む予定である。
|