2010 Fiscal Year Annual Research Report
破砕を考慮した落石運動の物理モデル化と落石遭遇リスク評価手法の開発研究
Project/Area Number |
20560462
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西村 強 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (90189308)
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Keywords | 斜面崩壊 / 落石 / リスク / 個別要素法 / 重力加速度増加手順 / 接線方向速度比 |
Research Abstract |
斜面防災に関連する問題に対して,まず,落石問題に対して,新たな数値解析手法の開発と,それによる軌跡解析結果を利用した被害想定シナリオの構築を実施した.すべり崩壊に対して,積層体を用いて進行性破壊のモデル化と重力増加手順を用いた実斜面を意識した応力レベルにおける解析を可能とする手法を提案した.本研究の成果を列記してまとめとする. (1)被害想定シナリオに基づく道路通行車両の落石遭遇確率の算定手順 接触モデルにバネーダシュポットースライダー系を用いて3次元落石軌跡解析法を開発した.接触モデルの係数決定について,運動方程式の解に基づきダシュポットの減衰係数を法線方向速度比および接線方向速度比の関係式を誘導した.接触中の接線方向の運動を(1)stick,(2)full slipそして(3)partial slipを定義して,模型実験における入射角度と接線方向速度比の関係を解析により再現した.この解析プログラムに対する入力値の軌跡の広がりに対する影響を定量的に評価した上で,道路通行車両の落石遭遇確率を算定する手法を開発した. (2)斜面の進行性破壊のモデル化と崩壊域の推定 要素間結合モデルを用いた個別要素解析おける入力パラメーターと積層体特性の評価を実施した.ついで,重力増加手順により解析に用いた積層体内に実斜面を意識した応力レベルにおける解析を可能とする手法を提案した.解析が与える換算限界高さは非円弧すべりを取り扱う一般化された極限平衡解析と比較したところ斜面傾斜角80゜でよい一致を示し,また,60゜では個別要素解析結果が低いものとなった.進行性破壊をよく表現している結果であるとした.
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