2010 Fiscal Year Annual Research Report
伝統的基礎工法の支持力特性とその適用性の実験的解明
Project/Area Number |
20560465
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
片田 敏行 東京都市大学, 工学部, 教授 (30147897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末政 直晃 東京都市大学, 工学部, 教授 (80206383)
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Keywords | 伝統的工法 / 杭付き胴木基礎 / 敷葉工法 / 小型模型載荷実験 / 支持力 / エコ / 軟弱地盤 / 盛土地盤 |
Research Abstract |
最終年度である平成22年度は,盛土地盤における杭付き胴木基礎の効果解明と研究の取り纏めを目的とした.当初は軟弱地盤上の住宅などの小規模構造物を支えるエコで環境に優しい工法として,伝統的工法である胴木基礎の支持力に着目し,模型載荷実験で明らかにした.模型地盤(奥行き12cm,長さ40cm,深さ20cm)は含水比70%に調整した関東ロームで5層に分けて作製した.胴木基礎模型は,縦5mm,横5mmの角材を使用して作成した.載荷実験の結果,杭付き胴木基礎が沈下するとともに隣接する土が胴木直下に流動し,胴木直下の土の密度が大きくなって胴木一杭一直下の土が一体となって支持力を発揮することが明らかになった.この実験では,2mmの基礎沈下に対して200kN/m_2という値が得られた.模型実験で境界の影響などの照査がさらに必要であると思われるが,本実験で用いたような地盤では十分な支持力が期待できると評価している. 現実の地盤では,さらに軟弱で沈下に伴い土の流動性が増すと思われるので,敷葉工法を併用した場合の支持力の増加を実験的に解析した.注目した点は,(1)敷葉の位置と(2)敷葉の向きとその敷設方法である.その結果,載荷初期では杭の中程に位置している方が支持力は大きいが,沈下量が増加していくと杭先端に敷葉が位置している方が支持力は若干大きくなった.結果として,敷葉工法を併用することによって,支持力は約1.2倍となり,併用効果を確認できた.また敷葉は格子状に敷いて設置した場合にもっとも大きな支持力効果が発揮されることが明らかになった.本科研費で実施した載荷実験で得られた成果は,木と敷葉を材料とし,エコで環境に優しい伝統的工法である杭付き胴木基礎工法と敷葉工法を併用することで,実験室レベルではあるが住宅など小規模構造物に十分な適用性を有することが明らかになったと評価している.今後の課題としては,実際に原位置での載荷実験による実用性の更なる検証が必要と考えている.
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