2010 Fiscal Year Annual Research Report
河川堤防の合理的構造検討に向けた礫混じり堤体材料の力学特性の再評価
Project/Area Number |
20560466
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
板橋 一雄 名城大学, 法人, 常勤理事 (30109269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小高 猛司 名城大学, 理工学部, 教授 (00252271)
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Keywords | 河川堤防 / 大型三軸試験 / 三軸試験 / 砂礫 / 供試体寸法 / 供試体密度 / 排水条件 / 強度定数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,広範な粒度を有する砂礫混じり堤防材料の変形・強度特性を評価する手法を提案するとともに,慣用解析で用いる強度定数の合理的かつ経済的な設定法を示すことである。研究の最終年度である平成22年度は,前年度から引き続き,各種条件下で砂礫試料を用いて室内三軸試験を実施することにより,得られる強度定数が各種条件の違いによって受ける影響について検討した。本年度は得に,供試体作製法による試験結果の違いに注目した。 河川堤防土を含む砂質土の強度定数を室内試験で求めるには,供試体を再構成する場合が多いが,実務において供試体作製法までは明確に規定されていない。本研究では,河川堤防で採取した礫混じり砂を対象に,空中落下法と湿潤締固め法の2つの方法で供試体を作製し,三軸試験を実施した。両供試体は同一の有効応力状態において,ほぼ同一の間隙比を有している点が特徴である。結果として,供試体作製法の違いにより,単調ならびに繰返しせん断試験で得られるせん断特性(特にダイレイタンシー特性)が大きく異なることが示された。特に,湿潤締固め法による供試体には高位な構造を持つ土の特徴が認められた。これは供試体内の不均一性に起因し,両供試体の内部構造が異なるためであることが示された。 一方,様々な試験条件下で得られた強度定数に対して,実務と同じ手法により堤防の安定性評価を実施した。同じ砂礫材料であるにも拘わらず,試験条件によって異なる強度定数を安定解析に用いることにより,得られる安全率は異なることが示された。以上の検討を通して,室内小型三軸試験で現場の砂礫堤防の強度定数を評価するには,粒度調整法,供試体作製法,供試体密度そして試験時の排水条件など,実際の原粒度試料のせん断特性に近づくように設定する必要があることが明確に示された。
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Research Products
(5 results)