2008 Fiscal Year Annual Research Report
河川における生態環境改善策としての凹み空間の流れ構造とその維持機構
Project/Area Number |
20560476
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨永 晃宏 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (60135530)
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Keywords | わんど / 水交換 / 水制 / 複断面 / 淵 / 3次元流れ構造 / 再循環渦 / 2次流 |
Research Abstract |
本年度は,主に3種類の凹部を対象とした研究を行った.第1は閉鎖的わんどであり,わんど開口部の形状がわんど内の渦の形成に与える影響を調べた.その結果,入口領域の奥行き・幅比が1.5以上で開口渦が形成され,これが間欠的にわんど内へ侵入することによって渦が形成されることがわかった.このような間接的に形成される渦の流速は直接形成される場合に比べて小さくなり,水交換速度はわんど内渦の流速におおむね比例するが,渦構造の形態により影響されることが示された.このことは水深平均の数値シミュレーションによりある程度までは再現できることが示されたが,精度の課題がありさらに非定常な組織渦構造の再現と3次元効果の組み込みが必要と考えられる.第2は複断面水路の高水敷に設置された水制により形成された凹部である.水制が水没しない条件と水没する条件について実験を行い,それぞれにおける流れ構造とこれに対応した砂堆積形状が明らかにされた.特に高水敷上の水制は低水路内の流れに大きな影響を与え3次元的な2次流を形成し,土砂の巻上げを活発にすることが示された.水制長さを短くした場合においても低水路への影響が認められ,この結果をもとに,現地河道に現れた旧水制群の撤去が行われた.第3は河床の片側に淵を有する流れの構造を検討した.水路片側の水深が深くなることにより,淵部分にはく離渦が生じ,直線水路にこのような淵を造成しても土砂堆積によって維持できない可能性が高いことが示され,淵内に透過水制を設置することによりはく離渦を消滅させ淵内流速を大きくすることができた.以上の結果は生態環境および土砂堆積の予測に貢献するものである.
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Research Products
(4 results)