2009 Fiscal Year Annual Research Report
河川における生態環境改善策としての凹み空間の流れ構造とその維持機構
Project/Area Number |
20560476
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨永 晃宏 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (60135530)
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Keywords | わんど / 水交換 / 水制 / 複断面 / 淵 / 3次元流れ構造 / 再循環渦 / 2次流 |
Research Abstract |
矢田川に設置された人工わんど周辺の河床変動メカニズムについて現地観測、実験室での模型実験および数値計算による解析を行った。まず現地で測量を行い土砂堆積形状と堆積量を明らかにし、出水との関係について考察した。この観測結果をもとに、数値シミュレーションと実験により流れ構造と土砂堆積の再現を行い、さらに土砂堆積抑制策について2粒径を用いた流砂実験によって検討した。その結果入口近傍の置き石工が重要な役割を果たすこと、いったん堆積すると埋没するまで進行すること、堆積を抑制するには開口部の境界をかさ上げすることが有効であることが示された。 上記のわんどにおいては上流部の閉塞により水質の悪化が顕著となったことから、わんどの開口部形状がわんどの水交換に及ぼす影響について詳細に検討した。閉鎖性のわんどとして河川との境界部に堆積物を想定した障害物を設置し、その形状を変化させて、わんど内の流れ構造の変化および水交換効率の変化を検討した。この結果わんど開口部の閉塞状況に対応した流れパターンが明らかにされ、水交換にはレイノルズ応力とともに3次元的な移流機構が重要であることが示された。 また庄内川のわんどでは浮遊砂の堆積が著しいところがあり、その凹みの形状から特殊な堆積形態を示していた。そこで、高水敷わんどの凹みの形状を種々変化させ、高水敷越流時の3次元的な流れ構造を明らかにするとともに、浮遊砂輸送実験を行い、わんどへの堆積特性を調べた。その結果、高水敷を横切る凹み境界線の角度が凹みに流れ込む流れの形態を大きく変化させ、土砂の堆積形状を支配することが明らかとなった。 淵の造成方法については、巨石による洗掘促進について検討し、洗掘実験結果を再現できる数値計算法の検討を行った。その結果、構造物前面の横断方向の流砂量を大きく評価することで再現性が向上することが示された。
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Research Products
(17 results)