2009 Fiscal Year Annual Research Report
津波・洪水氾濫流による物体変形と輸送に関する3次元マルチフェイズ数値解法
Project/Area Number |
20560478
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牛島 省 Kyoto University, 学術情報メディアセンター, 教授 (70324655)
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Keywords | 数値流体力学 / 氾濫流 / 流体力 / 混相流 / 並列計算 |
Research Abstract |
(1)固体の大変形をEuler的に扱う流体・固体連成計算法の構築 流れ場に存在する線形弾性体の有限変形を扱うことを目的として、固体の大変形をEuler的に扱う流体・固体連成計算法を構築した。このために、Euler型の固体の運動方程式と構成則を導出し、これまで開発してきた多相場の解法(MICS)に導入した。この解法により、従来のLagrange解法ではメッシュ破綻のおそれがある固体の大変形問題を扱えるようになった。比較的取り扱いが容易な速度形の応力増分型を利用して、内力の計算を行うモデルを導入し、片持ばりの大変形問題や振動応答、また2次元および3次元場におはる可逆性など、基本的な問題に適用して,その妥当性を確認した。さらに,3次元流体中の複雑形状物体の有限変形を本手法で計算できることを示した。 (2)捕捉された流木群の流水抵抗を評価する数値計算法の構築 洪水時・河川増水時において流木の被害が、多々報告されている。例えば,流木が橋梁に集積し倒壊させたり、取水堰などに流木が詰まり取水・放水機能を低下させたといった事例が報告されている。これらの流木災害は、流木の発生、運搬、堆積といった過程で生じる。本年度は、捕捉された流木群の流れ場に与える流水抵抗や堰上げ効果に着目し、これを数値的に評価する手法を構築した。この解法では、多相場の解法であるMICSをベースとして、流木を四面体要素から構成されるものとし、流木と構造物の衝突判定には、個別要素法で用いられる接触判定球を利用して、これらの接触判定処理を並列化することで計算速度の向上を図った。独立行政法人土木研究所が実施した水理実験を対象に、本計算手法を適用した結果、流木群の上流側の水深が増加する堰上げ効果や、流水抵抗が良好に再現されることが確認された。 (3)研究成果の公表 21年度の研究成果を国内・国外の学会発で公表するとともに、複数の査読付き論文に投稿して・研究結果が社会に広く役立つように広報活動を進めた。
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Research Products
(17 results)