2010 Fiscal Year Annual Research Report
津波・洪水氾濫流による物体変形と輸送に関する3次元マルチフェイズ数値解法
Project/Area Number |
20560478
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牛島 省 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (70324655)
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Keywords | 数値流体力学 / 氾濫流 / 自由水面流 / 混相流 / 並列計算 |
Research Abstract |
平成22年度は、昨年度までに得られた成果を発展させることにより、下記のような成果を得た。 (1) 浸透流計算手法の開発:微細な構造物や、粗い土砂粒子のような多数の物体間を浸透して流下する自由水面流れの3次元数値解法を構築した。既往の浸透流計算手法と異なり、多数の物体間の流れを直接計算することが可能である。特に、大規模な演算が行えるように、MPI(メッセージ・パッシング・インターフェイス)を利用する並列計算プログラムを新たに作成した。この結果、物体よりも詳細な計算格子を配置する大規模な計算をスーパーコンピュータ(大規模分散メモリシステム)上で実行することが可能となった。 (2) 移動床計算手法の開発:水面上に突出した土砂面周辺の流れや、土砂の堆積により移動床面が水面上に現れる過程など、大規模な移動床現象を扱える解法を開発した。移動床面に作用するせん断力は、多相場の解法に基づいて、圧力と粘性力から算出するものとした。この数値解法も、上記(1)と同様に、MPIを利用するプログラムとした。このため、大規模計算が可能である。 (3) 研究成果の公表:平成22年度の研究成果を国内・国外で公表するとともに、複数の査読付き論文に投稿して、研究結果が社会に広く役立つように広報活動を進めた。
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Research Products
(9 results)