2009 Fiscal Year Annual Research Report
巨石や橋脚を含む急流河川の流況解析技術及び環境修復技術の構築
Project/Area Number |
20560480
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前野 詩朗 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 教授 (20157150)
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Keywords | 急流河川 / 巨石 / 数値シミュレーション / 環境修復 / 土砂還元 |
Research Abstract |
第2年度は,巨石や転石,橋脚を含む急流河川の流れの数値解析技術並びに,環境修復技術を構築するために実験的かつ解析的な研究を進め,シミュレーションモデルの高精度化を図った.また,自然石による多段式落差工の効果やダムによってせき止められた土砂を還元する場合の土砂の移動状況を数値シミュレーションすることによりダム下流部の環境修復技術の構築を目指した.得られた主要な成果は以下のとおりである. 1. フラッシュ放流時の土砂の流況および土砂の移動状況 初年度に確立した数値モデルに混合粒径河床変動モデルを導入し,現地で実際に実測されたフラッシュ放流時の水位変化と土砂の移動状況との比較を行った.その結果,本解析結果はフラッシュ放流時のダム下流の急流河川におけるフルード数の大きな射流河川の水位上昇をよく再現できることを明らかにした.また,土砂の移動状況の実測結果との比較により,実測による移動限界粒径と数値解析による掃流限界粒径とがよく一致することを示した. 2. 還元土砂の移動状況 温井ダム下流に位置する平均河床勾配1/50程度の急流河川である滝山川では,近年,ダムによる放流制御のためアーマーコート化が進行しており,ダム下流部に土砂還元する場合の土砂の移動状況を,60m3/s程度のフラッシュ放流を想定した数値シミュレーションにより確認した.その結果,ダム下流部の置き土砂は,一回のフラッシュ放流で数十メートル程度流掃され,フラッシュ放流による土砂還元の効果を明らかにし,現地にも置き土砂を施工した.今後,実際の洪水やフラッシュ法流による置き土砂の移動状況を計測する予定である.
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Research Products
(2 results)