2010 Fiscal Year Annual Research Report
格子内の地盤高特性を考慮した氾濫解析法の開発と応用に関する研究
Project/Area Number |
20560481
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
松尾 直規 中部大学, 工学部, 教授 (20093312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 誠 中部大学, 工学部, 准教授 (50298486)
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Keywords | 水災対策 / 氾濫解析 / 格子内地盤高 / 数値解析 / 下水道解析 / ネスティングモデル |
Research Abstract |
治水対策の構築・検証や住民の危機意識の涵養につながるハザードップの作成と活用に対し、その水理学的情報を与える氾濫解析は非常に重要なツールとなる。氾濫解析には、更なる精度向上と共に実用上の観点から解析の簡便さの検討が熱望されている。本研究では、簡便であり、かつ高精度な解析を実施するために、格子内の地盤高特性を考慮した氾濫解析法(研究グループでは、h-VA氾濫解析法と称する)について検討している。 本年度は、内水氾濫による実際の浸水を想定し、名古屋市域を対象に構築された解析モデルを用いて、下水道モデルの検証と雨水貯留施設の浸水低減効果の検討を行った。解析結果から、貯留施設の効果の大きい場所が明らかとなり、特に、福徳雨水調整池と名古屋駅周辺で効果が大きいことが示された。また、名古屋駅周辺は氾濫水が集まりやすい地形であることや線路(盛土構造物)の浸水に与える影響が明らかとなった。なお、貯留施設があることで浸水が増大する箇所も見られたが、これは貯留施設の存在により氾濫水が集中し、逆に浸水を助長する可能性があることを示す結果であり、貯留施設の設置に関して注意が必要であることが示唆された。なお、下水道モデルの検証は、「下水道システムを考慮したh-VA氾濫解析法」に関連しており、本研究の一部とみなしている。 最後に、平成20年度~平成22年度におけるh-VA氾濫解析法および下水道モデルの構築に関連する成果をまとめ、報告書を作成した。
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