2008 Fiscal Year Annual Research Report
水面の位置を陽的に扱う新しい3次元数値風洞水槽の開発
Project/Area Number |
20560482
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
水谷 夏樹 Osaka Sangyo University, 工学部, 准教授 (50356036)
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Keywords | 海洋物理 / 可視化 / 値解析手法 |
Research Abstract |
平成20年度は,申請者がこれまで構築した2次元のLevel-set CIP法のプログラムを全面的に見直して数値風洞水槽の基本的な枠組みの構築を行った.その中で移流項の差分精度を検証した結果,従来のCIP法では自由用面の形態の保存性に関して長時間積分に耐えられないことが分かり,CIP-CSL4などのより高精度な差分法を採用する必要性があることが判明した.これらの差分法の改良に伴って積分形式を用いた境界条件の設定などに関して課題が残り,それについて改良を行っているところである. 一方,昨年度は米国コーネル大学に留学する機会を得て,当地において数値風洞水槽の検証データとしても使用可能な実験データの取得を行った.コーネル大学が所有する大型風洞実験水槽を用いて吹走距離が長い場合の実験を行った.実験では波面前方に生じる気流の剥離域についてビデオ画像の撮影を系統的に行い,その発生頻度を求めることで気流から水側へ運動量輸送機構との関連性について検討を行った.その結果,剥離域の発生頻度と海面の粗度係数との間に関係性が認められた. 気流の剥離現象については数値風洞水槽においても再現しなければならない現象であり,風波の発達過程における運動量輸送に関わる重要な現象であることから,可視化結果との比較検証が必要不可欠である.また,波高のデータ,水面下の流れのデータなどについても系統的に計測を行ったので,今後それらの解析を行うとともに数値風洞水槽における結果と比較検証を行ってより高精度な数値解析方法を開発していく予定である.
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