2009 Fiscal Year Annual Research Report
水面の位置を陽的に扱う新しい3次元数値風洞水槽の開発
Project/Area Number |
20560482
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
水谷 夏樹 Osaka Sangyo University, 工学部, 准教授 (50356036)
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Keywords | 海洋物理 / 数値解析手法 / 可視化実験 |
Research Abstract |
昨年度は,そろばんグリッド法の数値計算コードへの適用を試みた.自由表面形状に応じたグリッドの再配置については問題ないものの,各時刻において異なる格子点配置間での物理量の時間発展について問題が生じた.具体的には,各時刻で格子点の位置が時々刻々変化する.空間差分については自由表面近傍に多数の格子点を配置することで高精度化は容易となるが,時間方向には格子点位置が変化するため,物理量の時間微分を定義する必要性から物理量の平滑化が必要となった.二層流体を流体別に取り扱い,異なる流体間で微分を行わないことが本研究の目的であるが,この物理量の平滑化は本来の趣旨に反する結果となった. 一方,同時並行して行っている水槽実験から,風波の自由水面の形状に応じた多彩な気流構造が生じることが明らかになりつつある.特に波面の前方に生じる気流の剥離については,水面の粗度長さに依存するとした結果や気流の摩擦速度と強い関係があるとの結果が出ている.これらの結果の相違は,主に吹走距離の差異による風波の形態の変化によるものと推測され,もし,これが事実であるならば気流の構造もこれによって変化すると考えられ,吹走距離別にモデルを考えなければならない.いずれにしても,一昨年度に行った比較的長い吹走距離での実験結果と,昨年度から行っている比較的短い吹走距離での実験結果を比較検討し,吹走距離と風波の形態および気流の構造について詳細に検討を行う必要がある.その結果として,水面近傍の気流分布から,水面位置での流速値を推定して,数値計算コードへの適用を行う.
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