2008 Fiscal Year Annual Research Report
運転者挙動に着目した高速道路工事規制区間の走行安全性評価
Project/Area Number |
20560490
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 克弘 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70222809)
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Keywords | 高速道路 / 工事規制区間 / 安全対策 / 覚醒水準 / 脇見 |
Research Abstract |
本研究では,現場走行実験のデータより工事規制区間における2種類の前方不注視状況を捉え,走行環境,車両挙動との関連性を分析した.そして,覚醒水準に影響を及ぼす支配的要因となり得るものとして追従状態を特定した. 追従走行下にあるデータを分析したところ,覚醒水準は空規制区間にて低く,工事区間にて高くなっていることが分かった.また,覚醒水準が低下すると加減速が多くなることが知見として得られた.脇見については区間によって過度な脇見の特徴が違うという知見を得た.工事区間においては,個々の対象の注視時間は短いものの,その蓄積が過度な脇見に繋がっていること,また空規制区間では,視環境の急変により特定の対象への注視が長くなり,過度な脇見となっている可能性が示唆された,さらに,過度な脇見が生じた時の速度変動について,脇見前後と比較して脇見中は速度が安定していないことが確認できた. 本研究で得られた知見に基づけば,実際の工事規制区間に対し以下のような提案を行うことができる.まずは工事規制区間における車両の低速走行および追従状態の継続を緩和することが必要であると考える.このために効果的な対策としては,空規制区間における部分開放が考えられる.部分開放により,運転者は積極的にアクセル・ハンドル操作を行うことが可能になるため覚醒水準の向上が期待される.また,空規制区間にて強く脇見を誘発する対象が存在したという問題に対しても,部分開放を行うことでそのような対象が存在する余地がなくなるため,空規制区間での外在的前方不注視の悪化も緩和できると考えられる.
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