2008 Fiscal Year Annual Research Report
啓発活動が都市交通施設整備に対する市民意識に与える影響に関する実証的研究
Project/Area Number |
20560498
|
Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
塚本 直幸 Osaka Sangyo University, 人間環境学部, 教授 (20247878)
|
Keywords | 都市整備 / 交通計画 / 社会的合意形成 |
Research Abstract |
堺市全域8,000世帯とLRT導入沿線地域(大小路沿道および阪堺電車沿線)2,000世帯にアンケート票を世帯当たり3票ずつ配布した。配布は、2008年9月中旬〜下旬に、各家庭へのポスティングにより行った。そして、郵送によりアンケート票を回収した。 市内全域分については、8000世帯に配布、回収世帯数1282世帯(回収率16.0%)、有効票2247票であり、沿線地域分については、2000世帯に配布、回収世帯数356世帯(回収率17.8%)、有効票591票であった。 回収されたアンケート結果を分析し、以下の結論を得た。1.まず、LRTの認知度については、区別に差違はあるが、約70%が認知しており、平成18年度の類似調査よりも倍増以上となっている。各種報道や広報により市民の認知度は高まっている。2.LRTに対するイメージでは、環境や交通バリアフリーに対する貢献は広く知られているのに対し、まちの活性化やにぎわいへの整備効果については、期待感はあるもののその具体的道筋については、各種の疑問が提示されている。3.LRT事業費や採算性などの経済性には懸念を示す人の割合が相対的に高い。4.行政からのLRT事業に対する広報・説明については、70%もの人が「少ない」と回答している。このように、市民意識の面からは、LRTに対する期待感はあるものの、行政からの説明が不十分という評価ともあいまって、その実現に対する不安感が残っているといえる。今後、具体的な啓発活動を通じて、市民意識がどのように変化するかを平成21年度以降に分析したい。
|
Research Products
(1 results)