2008 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性アナモックス細菌の集積化と高濃度塩成分含有水からの窒素除去技術への応用
Project/Area Number |
20560508
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川越 保徳 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (00291211)
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Keywords | 環境保全 / 環境微生物 / 窒素除去 / 嫌気性アンモニア酸化(Anammox) / 海洋性Anammox / 海洋性Anammox細菌 / 集積培養 |
Research Abstract |
「研究成果の具体的内容」 初年度の計画であった海洋性Anammox細菌の馴養培養系の確立に成功した。3種類の種試料(海面埋立廃棄物処分場の底泥,海水利用型嫌気性脱窒処理汚泥,泥干潟底泥)を,微生物付着担体を備えたカラム型上向流リアクタに各々接種した。これに,約3.6%の塩分を含む海洋Anammox培地を供給し,嫌気条件下にて約1年間の連続培養を行った結果,海面埋立処分場底泥を接種した培養系において,Anammox反応の理論反応比であるアンモニア:亜硝酸=1:1.3の窒素除去が認められた。本培養系のバイオマスグラニュール,および担体付着バイオマスを採取し,16S rRNA配列相同性比較による遺伝子解析を行った結果,既知の海洋性Anammox細菌に類似する細菌の存在を確認した。また,総窒素負荷0.4kg/m^3/dayの条件下で,70〜85%の窒素除去を達成した。 「意義と重要性」 これまで,黒海などの海洋環境中では存在が確認されていたものの,培養に関する報告が殆ど無かった海洋性Anammox細菌について,馴養培養に成功した意義は非常に大きい。海洋性Anammox細菌の培養については,現在,世界的にわずか2例の論文があるのみで,その一つは窒素負荷が低い(0.08kg/m^3/day)ことなどから,本研究成果は特筆すべきものである。 海洋性Anammox細菌に関する微生物学的諸性質や生育環境条件等の知見は殆ど無く,本研究成果は今後,これらを解明するための第一歩でもあり,重要な成果が得られたと考える。
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Research Products
(4 results)