2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560512
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
岸本 直之 Ryukoku University, 理工学部, 教授 (00293895)
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Keywords | 臭素酸イオン / 塩素酸イオン / オキソ酸イオン / 電解還元 / 電気化学処理 |
Research Abstract |
本年度は臭素酸イオンおよび塩素酸イオンに着目し,その分析手法を検討するとともに,種々の電極材料についてサイクリックボルタンメトリーによる電気化学特性評価を行った。また,陽極室と陰極室を分離した実験用電解反応器を製作し,臭素酸イオンを対象に電解処理実験を行ってその電解還元特性を評価した。 臭素酸イオン・塩素酸イオンの分析手法について,いずれもイオンクロマトグラフィーにより分析が可能であったが,μg/Lオーダーの濃度分析を行う際にはKBr, NaNO_2およびH_2SO_4を反応液としたポストカラムの使用が必要であった。 電極材料については真鍮,ニッケル,チタン,銅,ステンレス(SUS304),鉛,活性炭繊維について電気化学特性評価を実施した。これらの中で触媒活性として銅が最も優れていると判断され,活性炭繊維は電極の安定性の面で優れていると評価された。 実験用電解反応器は,回分式および流通式反応器を製作した。回分式反応器は一部不具合があったため,本年度は流通式反応器を用いて臭素酸イオンを対象とした処理実験を実施した。流通式反応器に用いた電極は活性炭繊維フェルト電極である。実験の結果,電解処理に伴い,臭素酸イオンの分解と対応する臭化物イオンの生成が認められ,臭素酸イオンが臭化物イオンまで電解還元されることが確認できた。電解還元反応は中性付近のpH域でも進行したが,低いpHほど促進される効果が得られ,pH2.2における電流効率は8.7%であった。また,臭素酸イオンの電解還元反応には陰極表面に生成した水素原子が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)