2009 Fiscal Year Annual Research Report
免震層変形の効果的低減を目指した免震構造システムの評価研究
Project/Area Number |
20560514
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀 則男 Tohoku Institute of Technology, 工学部, 准教授 (60292249)
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Keywords | 免震構造 / 長周期地震動 / 建物クリアランス / 磁気粘性流体ダンパー / 摩擦ダンパー / 振動台実験 / 変形制御機構 |
Research Abstract |
免震構造は,地震時の応答加速度を大幅に低減できる有効な構造であるが,その反面,大きな応答変形が生じるため十分な免震層クリアランスが必要であり,大地震や長周期成分を含む地震動に対しては免震層クリアランスを超える過大な応答変形が危惧されている。本研究では,免震層の応答変形を効果的に低減し,かつ上部構造の応答加速度を抑制する応答制御システムの提案を目的としている。本年度の研究成果により以下の知見が得られた。 1. 磁気粘性流体ダンパーの制御力を変化させるセミアクティブ制御については,時刻歴応答解析が必須である非線形制御の欠点を補うべく,周波数応答解析が可能な複素ばね剛性モデルへの等価置換を試みた。これにより,制御設計の簡便化,変位制御設計の明確化に成果があった。また,免震試験体の振動台実験により検証を行った。 2. 変形制御機構(連結機構摩擦ダンパー)については,すべり支承免震試験体を用いた振動台実験を行った。応答加速度の上昇を抑えつつ,応答変形を抑制できることが確認できた。 3. また,オイルダンパーと転がり支承を持つ3層免震試験体に連結機構摩擦ダンパーを設置した振動台実験も行った。前年度は予備的実験として1層試験体での有効性を検証したが,本年度は,多質点系の免震構造に対しても連結機構摩擦ダンパーは応答変形低減効果があり,連結時の衝撃も小さいことが確認できた。しかしながら高次モードの振動を励起する場合もあるので,適切な弾性剛性,摩擦力の設定が必要である。
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