2010 Fiscal Year Annual Research Report
屋根面ブレース代替補強による天井板落下防止及び地震荷重伝達の性能向上設計と検証法
Project/Area Number |
20560516
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
石川 浩一郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50168192)
|
Keywords | 学校体育館 / 水平構造要素 / 地震荷重伝達能力 / EP型単層ラチスシェル構造 / 屋根面ブレース / 部材設計 / 応答制御 / 簡易検定法 |
Research Abstract |
学校体育館ほどの規模の大スパン建築構造の張間方向では、屋根面ブレース等の水平構造要素によって平面鉛直架構群を一体とすることが多い。屋根構造が十分な架構間の地震力の荷重伝達機能を果たすことができれば、構造群としての協働効果が期待できる。また、桁行方向では、屋根の地震力を屋根面構造により桁行方向の2面の鉛直架構まで伝える必要がある。学校体育館等の屋根では、屋根面ブレースが地震荷重を伝達する役割を担っている場合が多いが、施工のうえで屋根面ブレースを補強するには施工及びコスト面で困難を伴う。本研究では、多雪区域に建つ学校体育館等でしばしば用いられる1階がRC架構と2階が軸組筋違構造の混構造を対象とした。そして、北陸地方に建つ学校体育館の構造データを収集し、本構造の解析モデルを構築するとともに、EP型単層ラチスシェルの地震力伝達性能の評価方法を示した。すなわち、本単層ラチスシェルの張間方向における水平地震荷重伝達性能に及ぼす要因を設定パラメータとして本構造の限界値と応答値の簡便な計算法の提案及び妥当性を示した。また、アーチトラス架構を単層ラチスシェルによって剛床化したときの地震荷重伝達能力を検証するとともに、屋根面直下の桁行方向2層目の鉛直耐震要素の性能を保証しうる単層ラチスシェル構造の水平地震力伝達能力の簡易検定法を確立した。さらに、水平地震力が張間方向に作用した際の単層ラチスシェルを有する中間架構の応答を簡便に予測できることを示し、本計算法の精度を確認した。そして、本計算法により地震力伝達能力を保有するために必要な単層ラチスシェルの斜材の必要断面積を簡便に推定できることも示した。本研究成果は次のようにまとめることができる。変位・軸力等の安全性を検定することが可能であり、本仮定断面を用いて適切な部材の選定、安全性の検定について構造形式に対応した設計法に基づき進めることを可能にした。
|
Research Products
(6 results)