2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560520
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 修次 Kyoto University, 防災研究所, 准教授 (40313837)
|
Keywords | 杭基礎 / 長周期地震動 / 免震建物 / 液状化 / 土圧 / 壁面摩擦力 |
Research Abstract |
動的遠心載荷実験を行い、杭剛性が液状化地盤における免震構造物の杭応力に及ぼす影響を検討した。さらに、実験で計測された基礎部加速度を用いて、免震構造物を模擬した1質点系の時刻歴応答解析を行い、杭剛性と免震周期が免震層変位に及ぼす影響を検討した。得られた知見を以下に示ず。 (1)低剛性杭の杭頭および杭先端せん断力は、高剛性杭のそれらより小さくなった。これは、低剛性杭の地盤と基礎部の相対変位が高剛性杭のそれより小さくなり、低剛性杭の基礎部に作用する土圧摩擦合力が高剛性杭のそれより小さくなったためである。(2)高剛性杭における上部構造物加速度は、低剛性杭のそれより小さくなった。 これは、杭剛性が高いほど基礎部の挙動は振動台の挙動に近づき、杭剛性が低いほど基礎部の挙動は地表面の挙動に近づくため、地表面加速度の振幅が大きい2秒から5秒付近の周期帯において、高剛性杭の基礎部加速度の振幅が低剛性杭のそれより小さくなったためと考えられる。(3)免震周期が地盤の卓越周期に近くなると、免震層変位は大きくなった。この傾向は低剛性杭で顕著であった。これから、低剛性杭を用いた免震構造物は、高剛性杭に比べ、免震層の変位が大きくなることが想定されるので、設計での配慮が必要と考えられる。 さらに、乾燥砂地盤で動的遠心載荷実験を行って基礎根入れ部に作用する土圧と壁面摩擦係数(=壁面摩擦力/土圧)を検討し、以下の知見を得た。 (4)繰り返し加振によって、受働側の土圧と壁面摩擦力が増加する。ただし、壁面摩擦係数は概ね一定である。(5)壁面摩擦力は、主働側で下向き、受働側で上向きに作用し、土圧係数が1のときに、壁面摩擦力はゼロになる。(6)主働側と受働側で壁面摩擦係数は概ね同じである.
|