2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560529
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山田 義智 琉球大学, 工学部, 教授 (80220416)
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Keywords | 建築構造・材料 / 飛来塩分量 / 気象観測 / コンクリート / 塩分浸透 |
Research Abstract |
本年度(平成23年度)は,風況と飛来塩分発生量に関する調査・解析,飛来塩分とコンクリート中に浸透する塩分量の関係および遮塩材料の効果について検討した。 風況と飛来塩分発生量に関しては,飛来塩分捕集器を設置した対象海岸から距離の離れた気象庁の風況観測データと,飛来塩分捕集器の近くに設置したWeb気象観測装置による風況観測データによる検討を行った。その結果,飛来塩分捕集器の設置位置から距離の離れた気象庁の風況データでは相関は低い結果となり,飛来塩分捕集器近くに設置したWeb気象観測装置による風況データの相関が高い結果になった。この結果より,任意の海岸において風況を推定する手法の確立が,飛来塩分の発生量推定において重要であることが分かった。また,海岸における平均風速と飛来塩分量の関係よりも,積算風量の方が飛来塩分量との相関は高いことが確認された。 そこで,任意の海岸における積算風量を推定するために,領域気象モデル((1)WRF)による検討と空間補間法((2)IDWおよび(3)クリギング法)による検討を過去4年間の観測データを基に行った。なお,クリギング法は本年度に新たに加えた手法である。上記の3方法と実際のWeb気象観測装置による観測データとを比較したところ,上記の3方法は,いずれも推定精度を上げるためのさらなる工夫が必要であることが分かった。 コンクリート試験体を用いて飛来塩分量とコンクリート中に浸透した塩化物イオン量を検討したところ,両者には相関が認められた。これを基に飛来塩分量からコンクリート表面における浸透塩分量(フラックス量)を境界条件として用いることが確認できた。この境界条件を用いることにより,より合理的な塩分浸透解析が可能になる。さらに,塩化ビニル樹脂サイディング材を遮塩材料として用いる事でコンクリート中への塩分浸透を大幅に低減できることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飛来塩分回収および風況観測も順調であり,風況と飛来塩分の関係性もある程度把握できてきている。また,飛来塩分量とコンクリート中に浸透する塩分量の関係についても傾向が把握できつつある。以上のことより,研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度(平成24年度)の推進方策は,以下の2点である。 (1)風況と飛来塩分発生量の関係性を定式化して飛来塩分の内陸への輸送解析に用いる。 (2)飛来塩分量とコンクリート中に浸透する浸透塩分量(フラックス量)を定式化して塩分浸透解析に用いる。 上記の解析結果とこれまでの実測結果を比較検討することにより,その有効性を確認する。
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Research Products
(3 results)