2008 Fiscal Year Annual Research Report
強震動水平上下3成分同時入力が高層免震建物の地震応答性状に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
20560533
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
長橋 純男 Chiba Institute of Technology, 工学部, 教授 (50016523)
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Keywords | 高層免震建物 / 強震動記録 / 水平・上下3成分同時入力 / セットバック立面形状 / アイソレータの引き抜き / アイソレータの座屈 / アスペクト比 / 3次元立体振動地震応答解析 |
Research Abstract |
免震構造は、アイソレータに建物重量が圧縮荷重として作用していることが前提であるが、アスペクト比の大きな高層免震建物になると、アイソレータに引き抜きが生じ、ゴム層が損傷・破断する可能性も生じかねない。また、市街地に建設される高層集合建物は建物高さの法規上の制約を受けやすく、セットバックした立面形状を有する高層集合住宅として計画されることが多い。そこで研究は、セットバック立面形状を有する高層免震建物を対象に、その隅角部アイソレータの引張・圧縮地震応答性状を把握することを目的としたものである。 建物解析モデルは、平面形状は桁行方向5スパン(7mスパンのラーメン)、梁間方向1スパン(12mスパンの連層耐震壁)、立面形状は高層部18階からセットバックして低層部は14階となる建物と、高層部14階、低層部10階の建物の、2種類のRC造基礎免震建物(階高3m)である。これら2種類のセットバック高層免震建物を対象に、近年国内外で観測された53組の強震動記録の水平上下の合計3成分を同時入力し、耐震壁及び床スラブの曲げ剛性を考慮した3次元立体振動地震応答解析を行って下記の知見を得た。 (1)隅角部アイソレータの引張面圧は、高層部よりも概して低層部に大きな引張面圧が生じる傾向にあり、低層部アイソレータには、免震建物の耐震性能目標とされる引張面圧σ_t=1N/mm^2を超える強震記録が少なからず存在し、引張面圧σ_t=2N/mm^2を上回る強さを有する強震動の存在も確認された。 (2)隅角部アイソレータの最大圧縮面圧は約,σ_c=20〜70N/mm^2程度と広く分布しているが、概して低層部分アイソレータは高層部に比して大きな最大圧縮面圧となる傾向にあり、アスペクト比の大きな高層部分18階モデルでは、メーカーが提案している圧縮限界強度を上回る強震記録が多数存在し、アイソレータが座屈する可能性が大きくなることが知れた。
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Research Products
(1 results)