2008 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート造梁部材における材端ヒンジ回転限界の評価法構築に関する研究
Project/Area Number |
20560536
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松崎 育弘 Tokyo University of Science, 工学部, 教授 (30138979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 文夫 東京理科大学, 工学部, 教授 (80385533)
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Keywords | RC梁 / 材端ヒンジ / 回転限界 / 複筋比 / せん断余裕度 / 靭性能 |
Research Abstract |
本研究では、RC造梁部材におけるヒンジ回転限界(靭性能評価法・せん断設計法)について評価する手法を構築することを目的としている。ここでは、梁端に降伏ヒンジを形成する構造物を想定し,その降伏ヒンジが曲げモーメントとせん断力を維持したまま変形する性能(靭性能)について検討した。試験体は、申請者らがこれまでに行っている実大の約1/2〜1/3の大きさである梁断面が230×360mm、試験区間長さL=1440mmのスタブ梁を有する連続梁形式とし、曲げ・せん断実験を5体実施した。実験は、1)複筋比、2)せん断余裕度を実験要因とし、既往の研究結果も併せて、圧縮側コンクリートの負担状況の差異、コンクリートの圧縮拘束状況と主筋座屈長さの差異を調べた。実験方法は、圧縮主筋を引張主筋よりも小さくすることで、曲げ降伏後の圧縮側コンクリートの圧壊を顕著にさせ、曲げモーメントの維持または、せん断力の維持が困難となる性状も顕在化することを意図した。 本実験範囲内において以下の知見を得た。 (1)複筋比が1.0未満の梁部材においても、せん断補強量を増加して、せん断余裕度を大きくすることにより、曲げ降伏後の主筋座屈を防止することができ、複筋比が1.0と同等の靭性能を確保できることが確認された。 (2)RC梁部材の靭性能は、複筋比の違いに関係なく、ヒンジ領域のせん断余裕度を用いることにより評価可能であることが確認された。
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