2008 Fiscal Year Annual Research Report
地震被害を受けた鉄筋コンクリート構造物の部材損傷-残余耐震性能評価手法の開発
Project/Area Number |
20560537
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
白井 伸明 Nihon University, 理工学部, 教授 (90060144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 和樹 日本大学, 理工学部, 助教 (60386000)
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Keywords | 建築構造・材料 / 耐震 / 鉄筋コンクリート / 性能評価 / 損傷評価 / 画像診断 / 有限要素法 / ファイバーモデル |
Research Abstract |
本年度は,曲げ降伏後にせん断破壊するRC造柱に対して画像診断および3次元FEM解析実施し,破壊メカニズムを解明した。さらに,これらの知見に基づいてファイバーモデルを改良し,構造物全体の残余耐震性能評価に適用可能な簡易な解析モデルを構築した。その他,RC構造物のねじれ挙動や有開口耐震壁に関する3次元FEM解析を実施し,種々の検討を行った。以下に本年度の主な研究実績の概要を示す。 (1)曲げ降伏後にせん断破壊するRC造柱に対して画像診断を適用し,ヒンジ領域部のせん断破壊およびスタブからの主筋の抜け出しによる回転挙動が顕著となる破壊メカニズムを明らかにした。 (2)3次元FEM解析において,付着すべり挙動および柱-スタブ間の開口挙動をモデル化した結果,上述の破壊挙動を表現できることを示した。 (3)ファイバーモデルにサブ要素(せん断ばね,回転ばね)を組み込むことにより,曲げ,せん断および曲げ降伏後のせん断破壊を表現可能な簡易なファイバーモデル(改良ファイバーモデル)を構築した。 (4)改良ファイバーモデルを用いて,3本柱からなるフレーム構造の地震応答解析を実施し,解析モデルがフレーム構造に適用可能であることを確認した。 本年度の最も重要な成果は,改良ファイバーモデルを構築したことである。これにより構造物全体の残余耐震性能評価のための解析ツールを得た。次年度では,この解析モデルを様々な条件に対して適用し,その有効性を確認する。
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Research Products
(7 results)