2010 Fiscal Year Annual Research Report
構造設計に用いるリスクコミュニケーションによる設計説明支援ツールの作成
Project/Area Number |
20560538
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
平田 京子 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (70228782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 孝重 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20151342)
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Keywords | 建築物 / 構造性能 / リスクコミュニケーション / 耐震安全性 / 市民 / 建築主 / 合意形成 / 設計支援 |
Research Abstract |
震災で建物が倒壊しないことは人命に関わる大きな問題であり、建築物の構造設計における目標性能設定は建築主の生命と財産をかけたリスクの意思決定でもある。しかし構造設計では、建築主と対話する手段が構築されていないのが現状である。これからの構造設計が双方の合意のもとで行われるよう、リスクコミュニケーション手法の構築・導入を目的として、当該年度には、まとめとなる次の研究を実施した。 1.建築構造設計者を支援するリスクコミュニケーション用資料の作成 リスクコミュニケーションはまだまだ成立されているとは言えないが、構造設計者による構造性能説明が実施されるようになってきている。そして構造設計者自身が対話を意識し、自ら意識を変えていかなければならないことが前年度の研究成果より明らかになった。対話時の留意点や、どのように対話を進めているかについて検討し、リスク心理学の研究者、構造設計者と共に設計者用の耐震性能に関する説明支援ツールを開発した。 2.リスクコミュニケーションに関する構造設計者の意識啓発と支援ツールの発表 建築主がどのようなリスクコミュニケーションを要望しているか詳細な分析を行った結果を公表し、研究者・実務者の参加するシンポジウムを企画・開催した。そこで実際の構造設計時の対話を再現したロールプレイング実践を行った。参加した設計者は問題点を意識し、アンケートに回答することで今後の課題を整理した。 3.研究のまとめ リスクコミュニケーションの実施に向けて、本研究では構造設計者が説明用資料として活用できる説明ツールの開発を行い、その成果を構造設計者に示すことができた。資料詳細にはまだ改善の余地があり、検討を継続している。
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