2010 Fiscal Year Annual Research Report
地盤建屋連成系地震応答解析に用いるエネルギー伝達境界の時間領域化及び非線形化
Project/Area Number |
20560543
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Research Institution | Takenaka Corporation, Takenaka Research and Development Institute |
Principal Investigator |
中村 尚弘 株式会社竹中工務店技術研究所, 構造部門, 主任研究員 (50416640)
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Keywords | 地盤建屋相互作用 / エネルギー伝達境界 / 時間領域変換 / インパルス応答 / 地盤インピーダンス / 非線形応答解析 |
Research Abstract |
建物の耐震安全性を高精度に評価する方法としては、地盤-基礎-建屋を一体としてモデル化した、非線形3次元FEMによるシミュレーション解析が考えられる。しかしモデル全体が巨大となるため、現在の高い計算機能力を持ってしても実用性には課題があった。この問題を解決するための方法として、地盤モデルの波動境界を高精度化し、解析領域を縮小することが考えられる。本研究はこれまで振動数領域の解析に限られていた高精度の波動境界であるエネルギー伝達境界を時間領域に変換し、現実の建物の耐震挙動評価に適用するものである。これにより、境界の内部領域は時間領域での解析が可能となるため、建物や近傍地盤の非線形性を考慮した解析が可能となる。 前年度までの研究では、2次元面内問題等において時間領域伝達境界の適用性の検討を行い、良好な結果を得てきた。また伝達境界自身が非線形化する場合(非線形エネルギー伝達境界)の可能性について検討を行い、有効性を確認した。本年度は3次元問題において,内部領域を適用性の高い矩形領域とした場合の時間領域伝達境界を検討した。3次元矩形問題では,伝達境界の理論解が存在しないため,2次元の面内問題と面外問題の伝達境界を組み合わせても用いる近似的な方法とした。 まず線形問題で例題検討を行った。本方法を用いることにより解析モデルの縮小が可能となり,計算時間は,一般的な粘性境界(Lysmer-Kuhlelameyerモデル)を用いた場合に比して1/10以下,より高度な粘性境界(前記+切欠き力)を用いた場合に比して1/2程度となり,計算負荷低減に有効性が高いことを確認した。また3次元矩形問題について、2次元と同様の方法により伝達境界の非線形解析機能も付加した。この場合も粘性境界に比して精度が高く有効であることを確認した。
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Research Products
(7 results)