2008 Fiscal Year Annual Research Report
建築基準法改定に向けたエコスクールの設計基準・改修指針
Project/Area Number |
20560551
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須永 修通 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 教授 (20145668)
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Keywords | エコスクール / 学校建築 / 設計基準・指針 / 改修基準・指針 / 環境共生建築 / 実態調査 / 教室環境 / エコ改修 |
Research Abstract |
学校建築は全国に約44000校あるが,その大部分は断熱や日除けが無いなど環境性能的に非常に脆弱な建築である。それを改善するためには,学校建築が持つべき新たな性能目標値を設定し,また,その目標値を達成するような設計基準・指針を(改修を行う場合も含めて)策定することが必要である。 これを達成するために,本年度は1年目として,まず建築の性能に大きく影響する設計基準・指針および補助金制度について,学校施設整備指針や建築基準法,国庫負担等に関する各種法律,また普通教室に冷房を行っていない杉並区や横浜市の標準仕様などを収集し,さらに学校建築の設計者にヒアリングを行って検討した。 次に,教室の大きな「窓」の日射遮蔽や通風が室内環境に及ぼす影響が大きいことから,実際の教室を用いて,熱・光環境調整手法の効果に関する実験・実測およびアンケート調査を行い,窓開けによる通風量(排熱量)が換気扇によるものより圧倒的に大きいことなどを明確に示した。また,2008年度に竣工した目黒区のエコスクールを実測し,南面のルーバー庇や高断熱の室内環境調整効果が秀逸であることとともに,太陽高度が低くなる冬季への対策や照明電力削減などの必要性を示した。さらに,室内環境の向上および省エネルギーには,教員の啓発が不可欠であることも明らかにした。 また,エコスクール先進国で,環境共生建築・学校建築の最先端を行くドイツおよびイギリスのエコスクールの現地調査を行った。ドイツでは設計者へのヒアリング調査から,エコスクールを実現するための実際的な問題解決策などの情報を得た。また,ドイツ・イギリス両国の調査から,エコスクールの実現(成功)には地域住民の理解・協力が不可欠であることも明らかになった。
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Research Products
(3 results)