2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560552
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
二宮 秀與 Kagoshima University, 理工学研究科(工学系), 教授 (90189340)
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Keywords | 窓 / 熱貫流率 / 日射侵入率 / カーテン / ブラインド |
Research Abstract |
本研究の目的は屋外環境において窓の熱性能(断熱・遮熱)を測定し計算値と比較することである。2009年度は居室を模した試験箱(内法900×900×900mm,壁断熱材厚100mm,壁の1面に600×600mmの窓)を2つ作成し、両試験箱の熱応答が等しいことを確認した。試験箱の内部に集熱パネルを設置し、外部の恒温槽から一定温度の不凍液を循環させることで、流入熱量を集熱するとともに室温を一定にコントロールしている。熱量は恒温槽の入口と出口の循環水の温度差と流量から算出できる。予備実験では窓からの流入熱量を正しく評価できることを確認した。当初は流量計に不具合があり、両試験箱の流入熱量に有意な差がみられたため、その原因究明に時間をとられた。流量計を変更することでこの問題は解決し、屋外環境において窓からの流入熱量を正しく評価できることを確認した。この結果を踏まえて、窓にレースカーテンを設置して、窓面からの日射侵入率を定量化することを試みた。レースカーテンの編み目模様によって、室内への侵入熱量に差が見られたが、晴天日が限られたため、熱性能を定量化するところまでは達成できなかった。しかし、試験装置および計測方法の妥当性は検証できたと考えている。得られたレースカーテンの日射侵入率は既往の研究による評価値と概ね一致した。カーテンのひだや編み目模様の影響は日射の入射角にも影響を受けるので、できるだけ長期に亘るデータを収集し、熱性能を定量化する計画である。シミュレーションに関しては、JISおよびISOで規格化された方法を採用しプログラムを開発した。しかし試験値との比較までは達成できなかった。
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