2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560556
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長井 達夫 Tokyo University of Science, 工学部・第一部建築学科, 准教授 (00316001)
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Keywords | 空調システム / エネルギー / 制御 / 最適化 / 躯体 / 熱容量 / 負荷 / 平準化 |
Research Abstract |
本年度は,実機による実証試験を実施し,期待されたピーク削減効果および不必要な蓄熱の回避がなされるかどうかの確認を行った。その結果,設定した日中許容最大負荷を超過しないと予想された日についての不必要な蓄熱を避けられたほか,若干の日数ではあるが,在室時間中の午前中に最小限の蓄熱が行われることが確認された。ただし,最適化計算による夜間蓄熱の効果を検証しようとして日中許容最大負荷を低く設定しすぎると,許容室温範囲に留まるような操作時系列が存在しなくなる現象が見られた。このことから,適切な許容最大負荷(電力)の設定が重要であれことが明らかとなった。 実験では,最適化計算によるものの他,強制的に夜間蓄熱を行う,あるいは午前中のみ許容最低室温に維持する,といった運転パターン間の比較を行った。その結果,夜間19℃に保つ夜間蓄熱では,通常の間欠運転と比較して3~4割程度の午後ピーク時間帯負荷の削減となり,躯体熱容量のポテンシャルを確認できたが,日積算負荷は倍増した。午前中のみの蓄熱では,実験日数の制約から明確にできなかったが,シミュレーションによる追加検討では,通常の間欠運転と比較して7%程度のピーク負荷削減であった。 また,準最適化運転の検討として,まず最適化計算により,事前に最高外気温と蓄熱時間の間の回帰式を求め,純最適化運転としては,当日・翌日の実測および天気予報より説明変数である外気温を導き,回帰式より蓄熱運転スケジュールを決定する方法を考え,シミュレーションにより確認した結果,積算負荷の増大を抑えつつピーク負荷を削減できることが分かった。
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