2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560556
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長井 達夫 東京理科大学, 工学部・第一部建築学科, 准教授 (00316001)
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Keywords | 空調システム / 熱負荷 / 除湿特性 / シミュレーション / 躯体 / コイル |
Research Abstract |
本年度は、躯体を利用した蓄熱運転で問題となる室内の高湿度状況の検討のため、パッケージエアコンの除湿性能の数値モデル化を実施した。実測では、パッケージエアコンの吸い込み、吹き出し温湿度、風量、除湿量、消費電力等を計測した。風量は、吹き出し気流を覆うようなカバーを設け、カバー内外の圧力が等しくなるように別途吸引ファンで調整しながら、流路の風速を測定することにより推定した。処理熱量は、この風速と、吸い込み・吹き出し温湿度差から求めるとともに、ドレン水の計量からも潜熱負荷を推定した。このような実験装置において、吸い込み温湿度条件や試験室内発熱・発湿密度等を種々変化させて、起動後の応答特性および定常特性を測定した。 得られたデータより、起動後の立ち上がり運転、軽負荷定常運転、on-off運転のパターン分けが可能であることを確認した後、軽負荷定常運転について、顕熱に関する伝熱係数が風速にほぼ比例することを利用してコイル温度を推定し、併せて空気線図上の除湿プロセスから除湿量を算出するモデルを作成した。また、on-off運転については、軽負荷定常運転が特定の時間割合だけ発生する仮定を行いモデル化した。 このようにして得られたモデルをモジュールベースのプログラムツールに組み込むため、室内顕熱負荷、設定温度(=吸い込み温度)、前ステップの室湿度を入力とし、除湿量を出力とするようなモジュールを作成し、精度確認と、吸い込み条件や負荷に対する除湿特性を確認した。
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