2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代ストレス社会における都市勤労者のレクレーション生活構造
Project/Area Number |
20560562
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 雪彦 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (80334481)
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Keywords | レクレーション / 生活構造 / ストレス / 社会的孤立 / 生活の個人化 / 地域とのつながり / 地域コミュニティ衰退 |
Research Abstract |
本年度は特に、千葉県君津市中野地区(中心市街地)、周南地区(都市近郊地域)における都市勤労者のレクレーション生活構造について、主として地域からの孤立度、社会からの孤立度といった視点により分析を行った。その結果、地域組織に参加しない層は中野で約4割、周南で約5割、地域内のつきあいがない層は中野で約6割、周南で約4割、近所つきあいが挨拶程度である層は中野で約5割、周南で約4割であり、これら3つの地域とのつながりがいずれもない層は中野で約4割弱、周南で約2割に上った。さらに地域外組織への不参加、地域外のつきあいがないいわば社会的孤立層は中野で9.4%、周南で5.3%見られた。中心市街地、都市近郊地域による若干の差異はあるものの、地方都市においても生活の個人化および孤立化が進行していることが窺われた。また都市近郊地域では農家や旧住民を対象にこれらの層を調べると、全体よりは割合が低いものの、農家や旧住民であっても生活の個人化・孤立化か進行していることが明らかになった。同時に年齢階層別にみると若い世代から高齢世代に連れて、これらの層の割合が減って行くが高齢世代であっても生活の個人化・孤立化か進行していることが分かった。また、一般的に社会的孤立というと高齢世代を指すが、これは高齢者が孤立してなおかつ自活できなくなることから注目されていることであり、実際には(自活ができるが)勤労者層の孤立がより顕著であることが明らかにできた。いわば福祉学分野で言う社会的孤立の予備軍であると言える。今後、こうした勤労者が高齢化し自活能力がなくなっていくとき社会問題はさらに悪化することが容易に想像される。
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