2009 Fiscal Year Annual Research Report

精神疾患患者の継続的な受療行動分析に基づく包括的社会復帰支援システム・環境の構築

Research Project

Project/Area Number	20560577
Research Institution	Tokyo Metropolitan University
Principal Investigator	竹宮健司 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 教授 (70295476)
Keywords	精神疾患 / 受療行動 / 社会復帰支援 / 患者 / 療養環境
Research Abstract	1. 調査概要:昨年度に引き続き,精神科医療施設Kを対象に,退院患者・入院中患者・通所部門利用者の基本属性転記調査を実施した.病棟・通所部門の非参与型観察調査を行った.本年度は,入院患者の行動変化を連続的に把握するため,急性期病棟で7日間,通所部門で2日間の連続調査を実施した.また,調査期間内に関連施設に退院した患者については,退院先での生活状況について非参与型観察調査とスタッフへのヒアリング調査を実施した. 2. 調査結果概要:同施設を対象に2007・2008度に実施した調査結果と比較し,基本属性や入退院経路,等の経年変化に関する分析を行った.以下,主要な結果の概略を示す.(1)退院患者の6割を女性が占め,高齢化の傾向がある。F3(気分障害)が増加傾向にある.全般的に軽快退院患者数が増加し,入院期間は短縮傾向にあるが,入退院を繰り返す患者が増加している.(2)退院患者の入退院経路・病院内転棟状況をダイアグラムとして示し,2007年から2009年までの変化を示した.関連施設へ退院した患者の移動について詳細に把握した.(3)退院患者の入院期間,入院場所,生活場所の変化を基に数量化III類とクラスター分析を用いて類型化を行い,主要な類型を見出した.(4)急性期病棟における7日間連続の観察調査を実施し,患者属性,行為内容,姿勢,行為場所の関係を明らかにした.(5)関連施設に退院した患者(28名)を対象に,退院後の就労や生活状況を継続的に把握し,社会復帰過程で求められる支援環境に関する知見を整理した.