2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本とスウェーデンの高齢過疎地域におけるコンパクトで持続可能な福祉住環境再編整備
Project/Area Number |
20560583
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
田中 千歳 Kokushikan University, 理工学部, 准教授 (30346332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 義典 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (00338295)
国広 ジョージ 国士舘大学, 理工学部, 教授 (00306911)
佐藤 春彦 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30274062)
|
Keywords | スウェーデン / 高齢過疎地域 / コンパクト / 持続可能 / 福祉住環境 / 再編整備 |
Research Abstract |
1.目的:本研究は、わが国の少子高齢化・人口減少化の動向に立ち向かい、少子高齢過疎地域における住環境構造を持続可能なものに再編・再生するためのコンパクトな福祉住環境システムのあり方について検討するものである。本年度は、熊本県相良村村営集合住宅を中心とした住生活環境の成立過程とソフト面の仕組みの把握、スウェーデン王国アルベスタ町における障害者・高齢者等の生活環境と福祉ニーズの把握、及びコンパクトシティの仕組みや成立過程のシステム把握に主眼を置いた。2.結果:(1)村営住宅の建設背景は、相良村の少子高齢過疎化の現状に歯止めをかけるべく、村に定住することを目的に、まちづくりの一役として考えられた。(2)3タイプある村営住宅は、全てが平屋建てで車椅子にも対応している。(3)相良村が実施する事業に比べて、村営住宅建設に関わる専門家が非常に少なく、医療・保健・福祉等の関連分野の専門家との連携も希薄である。(4)居住後の村営住宅居住者に対するフォローアップが手薄にある状況である。(5)村営住宅地内に、交流をはかる場がなく、居住者からは公園等の交流が持てる場がほしいという希望の声が聞かれた。(6)アルベスタは、小規模な町で地域内でのつながりやコミュニティの基盤が強いため、福祉住環境を構築する意識形成が、地域住民の中には既に形成されている。(7)アルベスタコミューンは地域住民の意見を聞き、居住環境計画等の施策に反映する、住民参画のボトムアップ環境が構築されている。このような住民の声を反映するシステムは、少子高齢過疎地域における住環境構造を持続可能なものに再編・再生するために、重要な基盤となる。
|