2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560585
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
志村 秀明 Shibaura Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10333139)
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Keywords | 都市計画 / 人間生活環境 / 教育学 / まちづくり / 地域貢献 / サービス・ラーニング / コミュニティ・エンゲージメント |
Research Abstract |
本研究は、我が国におけるまちづくりが着実に深化しつつあるという状況を基盤としながら、米国等で行われているサービス・ラーニングの仕組みを参考にして、我が国における学生教育・市民教育の方法を向上させる「地域貢献学習」システムを開発することを目的としている。研究の初年度は、(1)米国等の海外で行われているサービス・ラーニングの実態調査を行い、いくつかの先進的な事例を通じて得られる情報をもとに、その要点を明らかにする。(2)我が国で行われている大学のまちづくり支援から、それがもたらす地域貢献効果と教育効果について、いくつかの先進的な事例を通じて得られる情報から明らかにする、こととした。第1に、海外においては、米国のカリフォルニア州立大学バークレー校、ポートランド州立大学、及びワシントン州立大学といった西海岸の大学を調査した、また、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学とオーストラリアの南オーストラリア大学とアデレード大学の取り組みを調査した。結果として、(1)キャンパス・コンパクトと大学教育協会が、米国全体の大学教育の社会貢献を促進していること、またコミュニティ・エンゲージメントと呼ばれるコミュニティ強化の取り組みが盛んであり、これらがサービス・ラーニングの基盤となっている。(2)大学にコミュニティと連携する窓口と実力をもった担当職員が配置されている。(3)学部一年生から参加できるコースが存在する。(4)協定よりも寄付によって大学と地域組織との連携が成立している。こと等を明らかにした。第2に、国内では、東京芸術大学と芝浦工業大学といった東京を中心として地域貢献活動を行っている大学を調査した。結果として、教育コースとしては確立されていないものの、幅広い学生が地域貢献に参加している現状と、市民教育として効果をあげている実態を明らかにした。
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