2008 Fiscal Year Annual Research Report
身体周囲に必要なアキ寸法の計測と体系化に関する研究
Project/Area Number |
20560591
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
若井 正一 Nihon University, 工学部, 教授 (90120592)
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Keywords | 人体寸法 / アキ寸法 / 人体測定 / 動作寸法 / 動作空間 / 動作解析 / 身体周囲 / 建築人間工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで建築設計計画の分野において、多くの研究者や設計者からその必要性を指摘されながらほとんど計測されてこなかった目的行為を完遂するために身体周囲に必要な非接触の空間領域である「アキ寸法」に着目して、多様な身体動作の場面を対象にして実験的に計測を行うとともに、当該計測値を日常生活場面と対応させて体系化を図ることである。 平成20年度は、本研究の初年度として、身体動作寸法を計測する既往の測定機器を整備するとともに、当該研究費で購入した3次元ビデオ動作解析システム(DHK社製Frame-DIAS IV)を活用して、日常生活行為を想定した身体動作寸法の計測を試みた。また、既往の研究でまとめた身体動作の主要な24の基本姿勢や日常生活動作の応用動作などを勘案して、身体動作寸法に必要な機能的寸法を加えた新たな「動作空間」を提案して体系化を試みた。従来の動作空間の概念は、具体的な手引きが確立しないままに基本的な考え方だけが示されたために、身体動作寸法や数値の判断が曖昧なまま大半を設計者に委ねるものであった。また、動作空間を構成する寸法概念として、これまでは「人体寸法または動作寸法」+「モノの寸法」+「ゆとり寸法」であるとされたが、この「ゆとり寸法」と本研究で計測する「アキ寸法」との解釈の違いなどを明確にすることができた。これらの初年度の研究成果を踏まえて、次年度からは、多様な日常生活場面を対象にして身体周囲に必要なアキ寸法の計測値を体系的にまとめる予定である。
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Research Products
(2 results)