2010 Fiscal Year Annual Research Report
インフィル指向型スケルトンによる長寿命建築システムの開発研究
Project/Area Number |
20560592
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小見 康夫 東京都市大学, 工学部, 准教授 (70409374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 誠 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10180035)
村上 心 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10247603)
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Keywords | スケルトン・インフィル / オープン・ビルディング / 長寿命健築 |
Research Abstract |
本年度は、主に以下の研究を実施した。 (1)わが国の集合住宅におけるSIコンセプトの現状分析 昨年度に引き続き、文献に掲載されたSI集合住宅事例のSI項目に関する内容分析を行った。「一般事例」と「先進事例」では、いくつかの項目で両者に顕著な差が認められ、現状の一般的なSI集合住宅は物理的な耐久性に偏り、社会的耐久性にとって重要な可変性の実現・普及が不十分である実態を明らかにした。 (2)自由連結型可動家具による空間改変手法の開発 スケルトンの制約を極力受けない汎用インフィル・システムの一つとして、自立・移動可能な家具の自由連続配置による空間分割手法の提案・理論的考察を行った。具体的には、端部を円弧形状とする家具を接しつつ連続すれば、全体として自由な配置形状が得られることを、ボールチェーンのアナロジーを用いた幾何学的分析により示した。 (3)2+1.5層スケルトンによる集合住宅モデルの設計提案 立体的住戸プランを実現する新しい汎用スケルトン・システムとして「2+1.5層スケルトン」の考察を行った。 3層分の階高をもつスケルトンの一部を3層(1層×3)、残りを2層(1.5層×2)とし、これらを上下2つの住戸で分割することにより、各住戸は(1層×2)の部分と(1.5層×1)の部分で構成される。通常階高部分(1層)には変化が少ない水回りや個室、高階高部分(1.5層)には居間や台所など変化の大きな室を配することで、空間利用効率1を高めるとともに、無理のない改修設計が可能になる。また、3層のうち中間階をこれら2つの住戸へのアクセス階とすると、1層目と3層目はアクセスのための廊下が不要になり、自由度の高い開口部をより多く確保できる。この「2+1.5層スケルトン」を上下左右に連続することで、小規模から大規模まで様々な住棟構成が可能になる。以上の設計手法を整理した上で、集合住宅のモデル設計を行った。
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