2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560594
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 幸夫 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10133092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 洋樹 九州共立大学, 工学部, 准教授 (00329088)
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Keywords | 公共施設 / 地方公共団体 / 運営 / 維持保全 / 財政状況 |
Research Abstract |
本研究は、公共施設資産を適切に管理するためのマネジメントシステムの構築をめざすものである。2008年度は基礎調査としてコミュニティ施設についての運営・維持保全の現況調査、地方公共団体の財政状況調査、公共施設のストック量調査を行った。調査対象としては首都圏の都布を選び、26市から協力を得た。施設の運営・維持保全についての現況調査では、管理委託契約費・施設利用者数・施設稼働率・光熱水量等のデータを収集し比較したが、団体によりかなりのばらつきがあることが確認できた。団体によっては運営管理の方法を改善することにより効率を上げることが可能と思われる。その際に施設基本データや修繕工事履歴などが殆ど整備されてない団体があることも判明した。一方では一部ではあるが、少ない財源で維持保全の効率を上げている団体もあった。財政状況調査はインターネットで公開されている情報を利用し、調査対象とした団体の現況を分析した。分析を通して、調査対象団体においては保有施設全体の平均老朽化率が高いものの、財政状況は他に比べさほど悪くないことが分かった。なお団体によっては財政規模や人口に比較して保有ストック量が多い、後世代の負担比率が高い、資金手当率が良くないなどの問題を指摘できるところがあった。これらは財源の配分や活用効率を上げることにより改善が期待される。公共施設のストック量調査は、多くの調査対象において保有施設の情報が整備されていないことが判明したため、基礎的な情報整備を兼ねて全体像の把握を目的として行った。団体の保有する施設は一団体あたり多くても数百施設であり、そのうち教育文化関連施設が約7割を占めるが、各施設の運営・保全等をマネジメントするために必要な図面・修繕記録・施設利用状況記録などが保存されていない、あるいは記録すらないというケースが多いことも判明した。
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