2009 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的市街地における京町家保存型街区モデルを用いた街区整備オルタナティブの提案
Project/Area Number |
20560596
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
片方 信也 Nihon Fukushi University, 健康科学部, 教授 (50026275)
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Keywords | 歴史的街区 / 京町家 / コートヤード・ハウス / 協調空間 / デザイン・ゾーニング / 壁の共有原理 / 町式目 |
Research Abstract |
過年度の研究成果である6類型のデザイン・ゾーニングの内,修復維持型のモデルを提案する準備作業に,あらたに商業系用途地域に立地する長方形街区を1カ所追加し,モデル提案の比較考察を行うこととした.デザイン・ゾーニングの類型としては,もうひとつの対象街区と同様の修復維持型となる. 1.モデル提案のためすでに設定している街区における昨年度の準備と同様に,追加街区について,土地所有権の移動状況,建物の構造,階数等の外観調査を実施した.調査では,街区内には木造中低層の住宅開発の例もあるが,町家の構成とはことなるため,歴史的街区との調和をいかにはかるかという課題も明らかとなった. 2.2つの街区について街区変容のシミュレーションを行う予定であるが,今年度は20年度の研究で概念化をはかった協調空間の原理の背景となる街区変化の歴史的経過を検討した.洛中洛外図等の歴史資料等を用い,歴史的事実としても協調空間というべき空間への人びとの認識形成が確認出来た. 3.昨年度に引き続き,中東アジア地域のコートヤード・ハウス(中庭型住宅)に関する文献整理を行った.イラン国におけるコートヤード・ハウスの現地視察は実施に至っていないが,現地の建築専門家との連絡がとれるようになり,一定の研究情報の交換を行った.文献整理では,中庭ではなく屋根付き主室であったとする見解を含め,あらたな検討を加えた. 4.次年度に予定する研究成果のギャラリー等での一パネル一般展示には,建築デザインが協調空間と各戸の庭とのつながりを主目標するべきであるというあらたな考えを含めるための課題設定と調査準備を行った. 上記1.2.に関しては,中間的な成果を雑誌の連載論文に執筆継続中である(19回を予定).
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Research Products
(8 results)