2010 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的市街地における京町家保存型街区モデルを用いた街区整備オルタナティブの提案
Project/Area Number |
20560596
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
片方 信也 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (50026275)
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Keywords | 歴史的街区 / 京町家 / 協調空間 / 中庭付き二面開放 / コートヤードハウス / 格子状街区 / 京町家保存型街区 / 外部空間 |
Research Abstract |
街区整備計画のオルタナティブを提案する歴史的街区にあらたに長方形街区を追加した.この街区について,整備案を検討した. (1) 250分の1で作成した街区模型を用い,協調空間の原理を適用することによって空間変容の予測をおこなった.予測には過去の一定時期の地積図,航空写真,住宅地図を使用し,さらに外観調査によって予測作業を行った.都市計画の指定用途が商業地域であるため,協調空間のさらなる圧迫と消滅が予測された. (2) 受け入れを許可してくれた居住者への訪問インタビュー調査とアンケート調査を実施し,協調空間と住宅の外部空間(庭などを指す)のつながり方とそれに関する居住者の住生活上のとらえ方を把握した.これによって,協調空間の存在の意義と再生の必要性が確認された.街区整備の提案では,中庭付き二面開放の住宅モデルを取り入れた. (3) 京町家保存型街区の計画には,伝統的な町家の保存とともに,新たな空間変容に対応する制御の手法が求められていることが街区シミュレーションと上記調査により明確となり,制度の仕組みとしては,歴史的街区に対して設定される容積率指定にかわる協調空間拡充の制度メニューが必要であるとの認識が得られた. (4) 中東地域のコートヤードハウスの資料整理では,生気候学分野の資料のほか,街区の発生と建築形態に関する考古学分野の文献検討を実施した.町家が街区の制約を受けて形成されたのに対しコートヤードハウスは街区発生以前に成立し住戸の間の壁を共有する.成果としては,壁の共有が協調空間と相通じる点に注目出来るとした.
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Research Products
(8 results)