2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560602
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
泉田 英雄 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (70203057)
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Keywords | 木造建築 / イスラーム建築 / 東南アジア / 木造構法 / モスク |
Research Abstract |
今年度は,当初の計画に従い,ジョクジャカルタ及びスラカルタを中心にした中部ジャワにおける歴史的モスクを特定し,その平面や架構などのデータを実測及び写真撮影で収集した。具体的な調査項目は,1)建物の位置と建設背景の把握,2)実地調査方法の検討,3)実地踏査調査の実施,4)実測図面と写真の整理,5)実地踏査調査モスクの分析であり,現段階で調査したモスク建築を建設年代,平面,架構などで分類すると,以下のようになる。 1)マジャパイト王国時代の建築を再利用したもの。15から16世紀。 2)巨大4本柱による寄棟架構によるモスク。16世紀から17世紀。 3)小型の1本柱のモスク。王宮内の聖なる用途のため。 4)イスラーム王宮の大モスク。18世紀から19世紀。 5)聚落におけるモスク。 また,材料と構法から分類すると,古いものはマジャパイト時代の伝統を引き継ぎ扇垂木に柿葺きであったが,18世紀半ば頃から平行垂木・瓦葺きに変化したのがわかった。これはオランダの建築技術の影響と考えられる。 来年度はジャワの東海岸地域,それからバリ島に近い東ジャワの歴史的モスクを実地踏査調査し,さらに得られたデータを整理する。
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