2008 Fiscal Year Annual Research Report
「限界集落」の再生に関する実践研究〜勝山市小原集落の家屋調査と修復を通して
Project/Area Number |
20560607
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 純一 Fukui University of Technology, 工学部, 教授 (40108212)
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Keywords | 限界集落 / 再生 / 活性化 / 古民家調査 / 修復 / 小原 ECO プロジェクト / イベント / 宿泊施設 |
Research Abstract |
◆平成20年8月〜9月にかけて約30日間、学生10数名とともに小原集落の一家屋に泊り込み、20数年来空き家となっていた北山保夫家住宅の調査および修復作業を行った。調査は修復前および修復作業と平行しながら実施、修復作業は中間真佐博氏の指導・協力を得て実施された。その結果、北山家住宅は切妻造、大壁造、総二階建ての小原の家屋に共通する建築形態を有しているが、建設に際し、もとは茅葺の民家で使われていた柱や桁を再利用し、長さが足りない場合は継ぎ足して小原特有の家屋として造られていることなどが明らかになった。一方、修復に関しては、屋根回り、外壁の板壁張り、西面から南面にかけて下屋の復元など外回りはほぼ整備できたが、内部は柱の根元の補修や大引・床束の補強は終えたものの内壁の板張りは仕上げることができなかった。したがって、未だ活用は無理であるが、本年度は冬場の雪に対処できる状態まで終えることができた。 ◆廃村の危機が迫る小原集落の再生、活性化を目指す「小原ECOプロジェクト」事業は、平成18年度に始まり、地元の活動家の方々と連携しながらこれまでに3棟の家屋を修復・整備し、これらの家屋はイベント会場や宿泊所として活用されている。現住の村人は今や2戸・2人だけであるが、この事業を始めて以来、小原を訪れる人は年々増加の傾向にある。本年度修復を手がけた北山家住宅も内部の整備が完了すれば、こうしたイベント会場、あるいは休憩・宿泊施設としての活用でき、事業のより活発化につながるものと期待される。 ◆この活動は学生たちが直に建築に触れ、大工棟梁の指導を受けながらの体験学習にも大きな効果があり、かつ長期間の合宿生活を通して学生間の親睦が深まり、地元民やボランティアらとの交流などを通して、キャンパスでは得られない貴重な体験ができ、建築の実践教育の場としても大きな効果を挙げている。
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Research Products
(3 results)