2009 Fiscal Year Annual Research Report
高周波共鳴を利用した高速記録磁気メモリーのためのスピンダイナミクスの研究
Project/Area Number |
20560611
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
稲葉 信幸 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (50396587)
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Keywords | ダンピング定数 / 強磁性共鳴法 / 磁化反転速度 / 磁気記録 / 単結晶薄膜 |
Research Abstract |
提案した研究目的を実現するために、本年度は下記の2項目を実施した。 1.強磁性共鳴(FMR)装置を用いた磁気緩和現象の計測 強磁性体の磁化反転速度を支配するダンピング定数αは、強磁性共鳴曲線の吸収ピーク幅から算出可能である。このピーク幅から得られるαには、材料固有の値と試料の磁性膜間に作用する相互作用、試料の膜構造と関係した歪み、などの外的要因に起因した値が含まれており、(1)MgO単結晶基板上に成膜したNi-Fe(001)およびNi-Fe(110)単結晶薄膜試料のFMR共鳴曲線の比較を行い、Ni-Fe(001)試料では結晶方向に依存せずαが一定値(α=0.006)を示したのに対し、Ni-Fe(110)試料では[110]方向で膜成長時の歪みに起因してαが増大することが判明した。(2)Co/Ru人工格子膜では、Co膜間の相互作用がRu膜厚の変化にあわせて強磁性結合と反強磁性結合を周期的に変化するのに対応して、FMR曲線の吸収ピーク幅が反強磁性結合試料では極大値を、強磁性結合試料では極小値をとる周期的な変化をしめすことがわかった。 2.試料作成 磁化反転現象に対するPt添加効果の検討を行うため、Co-Pt薄膜に第3元素X(X=Cr,Ta,W,V等)を添加したCo-Pt-X薄膜を、第3元素添加量、製膜条件(ガス圧、基板温度、熱処理条件)を変化させて作成した。Arガス圧1.5Pa以下で成膜した試料は、膜質、結晶配向性が向上した。また、Co-Pt薄膜の規則化温度が、第3元素を添加することにより500-600℃まで低下することがわかった。
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Research Products
(11 results)