2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560613
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
武田 雅敏 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (30293252)
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Keywords | 金属六ホウ化物 / 熱重変換材料 / 格子欠陥 / キャリア濃度 / 電気伝導率 / ゼーベック係数 / 結晶構造解析 / 焼結体 |
Research Abstract |
二価の金属六ホウ化物における格子欠陥,特に原子の欠損の評価のために,結晶構造解析の準備ならびに予備測定を行った.具体的には,X線回折によるSrB_6の結晶構造解析,^<11>Bを用いた中性子回折実験用の試料作製・物性評価である.種々の条件で作製したSrB_6相の焼結体について,X線回折測定により格子定数を求め,熱電特性の一つであるゼーベック係数との比較を行った.その結果,格子定数とゼーベック係数の間には相関が見られた.格子定数の変化は,主に原子の欠損によると考えられ,X線による結晶構造解析の結果もそれを支持している.この欠損によりキャリア濃度が変化した結果としてゼーベック係数に影響が現れているものと考えられる.^<11>Bを用いた試料と天然のホウ素を用いた試料との間には差異は見られなかった.X線回折による結晶構造解析では,軽元素であるホウ素の欠損に関する解析が困難である.そのため,^<11>Bを用いた中性子回折の実験を計画しており,これまでの成果とあわせることで,金属六ホウ化物における原子欠損に関するより詳細な情報が得られ,物性との関連がより明確になると期待される. 一方,YbB_6相においてp-n制御の可能性を検討した.これはYbB_6相がアルカリ土類金属六ホウ化物に比べて広い組成域をもつため,原子の欠損による特性制御が期待されたためである.Yb/Bの比率を変えて作製した焼結体のゼーベック係数を測定したところ,仕込み組成に応じてp型又はn型の性質を示すことが明らかとなった.また,仕込み組成の異なる粉末2種類を用いて焼結し,p-n対の作製に成功した.
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