2009 Fiscal Year Annual Research Report
フルホイスラー合金の電子構造・磁性に及ぼす構造欠陥効果の第一原理計算
Project/Area Number |
20560614
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
星野 敏春 Shizuoka University, 創造科学技術大学院, 教授 (70157014)
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Keywords | 第一原理計算 / GGA / KKR-Green's function / フルホイスラー合金 / 格子欠陥エネルギー / クラスター展開 / 母体磁性の安定性 / Screened KKR method |
Research Abstract |
1.我々の提案している内部エネルギーのクラスター展開法の計算精度と収束性を、Ni_2MnAl,Al_3Scの合金系で調べた。Ni母体中のMn,Al不純物、Al中のSc不純物原子間の3体まで含めれば、これらの合金のバンド計算結果が1原子当たり1mRyの誤差で正確であることがわかった。2体相互作用は長距離性で、第20近接までの相互作用を考慮する必要がある。Ni_2MnAlについては、強磁性も調べた。反強磁性についても調べている。 2.Co_2MnSi,Co_2CrAl中の構造欠陥エネルギーを計算した。Co_2MnSi系では、MnサイトにSiが入るエネルギー(antisite)が非常に小さく、この欠陥が起こりやすいことを示している。この欠陥は、母体磁性(バンド計算ではhalfmetallicityを示す)を大きく壊す傾向があり、実験結果(spin polarization 50%)を説明する。また、Co_2CrAl中のCrとAlの位置交換エネルギー(swap)が非常に小さく、B2構造になりやすいことを定量的に明らかにした。Cr-Alの位置交換で、第一近接Cr-Cr対ができ、その磁性は反強磁性となり、Co_2CrAlの磁性が完全結晶のバンド計算結果(unit当たり3μB)と実験結果(unit当たり1.5μB)を説明できる。
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Research Products
(9 results)