2010 Fiscal Year Annual Research Report
難溶解性原料を用いた緩やかな組織形成による高密度高配向ナノ構造ゼオライト膜の作製
Project/Area Number |
20560626
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松田 元秀 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80222305)
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Keywords | ゼオライト / ナノ材料 / 超薄膜 / セラミックス |
Research Abstract |
本研究では、究極のガス分離材としての応用に加え、量子閉じ込め効果を利用した新規配列ナノクラスターデバイスへの展開が期待できる高密度高配向ナノ構造MFI型ゼオライト超薄膜を、申請者の研究グループが独自に考案する難溶解性原料を出発材とする作製プロセスによって創製し、得られた知見を基に、ゼオライト膜の高度利用と多面的応用に資する高密度高配向ナノ構造ゼオライト超薄膜作製基盤技術の構築を図ることを目的とし、検討を行った。以下に、本年度に得られた知見の概要を記す。 ・前年度に引き続き、65%程度の多孔度を持つ基板を用いて製膜を試みたが、緻密基板上で見られた配向性を有し緻密で薄い膜を得ることは出来なかった。この結果を受け、多孔性が異なる基板を作製し、検討を行ったところ、基板の多孔度が増加すると、製膜性が著しく低下することがわかった。また、基板の凹凸も製膜性に影響を及ぼすことが明らかになった。分離膜への展開を進める上では、引き続き検討を要することが示された。 ・膜形成機構を詳細に検討した結果、反応初期に、非晶質膜が基板上に形成し、反応時間の増加とともに、その非晶質膜が結晶化し、b軸配向性が出現することがわかった。また膜厚は、非晶質膜形成時で、反応時間の増加とともに増加する傾向にあったが、膜が結晶化する段階では、ほとんど変化しないととがわかった。膜の結晶化段階を反応条件など様々なプロセスパラメータを変えながらより詳細に検討した結果、結晶化は反応溶液と膜が接する界面から膜内部に向け進行することが示唆された。
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Research Products
(6 results)