2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560636
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
永野 孝幸 Japan Fine Ceramics Center, マテリアル部, 副主任研究員 (70450848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幾原 裕美 材料技術研究所エンバイロンメンタル, マテリアル部, 主任研究員 (80450849)
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Keywords | ニッケル / アルミナ / シリカ / 水蒸気 / 細孔 |
Research Abstract |
これまでの研究から高温水蒸気雰囲気におけるアモルファスシリカ系水素分離膜の耐久性を向上させるためには中間層として使用されるγ-Al_2O_3のシンタリングの抑制と分離活性層のアモルファスシリカの緻密化を抑制することが必要であると考えられる。 そこで、γ-Al_2O_3の耐熱耐水蒸気性向上を目的として、ゾルーゲル法により、1-30mol%のNiをドープしたγ-Al_2O_3をα-Al_2O_3多孔質基材上に成膜し、Steam/N_2=3、773K、0-50hの条件で水蒸気暴露して、高温水蒸気雰囲気におけるNiによるγ-Al_2O_3のシンタリング抑制効果を暴露前後の水素透過率変化、細孔分布変化、XRD回折から検討した。 Ni添加量の増加とともにγ-Al_2O_3の格子定数は増加し、固溶していることが確認された。また、Ni添加量が10mol%以上になるとNiOが生成していることが確認された。最も高い耐水蒸気性を示した材料は5mol%Ni添加γ-Al_2O_3で50時間水蒸気暴露しても暴露前の細孔径分布を保持しており、優れた耐熱耐水蒸気性を示した。 さらに、γ-Al_2O_3の耐熱耐水蒸気性が分離膜全体の耐熱耐水蒸気性に及ぼす影響を調べるため、α-Al_2O_3基材上にゾルーゲル法にてγ-Al_2O_3、Ni添加γ-Al_2O_3をそれぞれコーティングした。これらの基材に対向拡散CVD法を用いて、アモルファスシリカ膜を成膜した。773K、Steam/N_2=3における膜の耐熱耐水蒸気性はNi添加γ-Al_2O_3を使用した場合、高温水蒸気雰囲気における水素選択透過性が大幅に安定化することが分かった。 一方、アモルファスシリカの緻密化抑制に関しては、シリコン原料をテトラメトキシシランからヘキサメチルジシロキサンへ変更することにより、暴露初期の緻密化が抑制されるとともに水素透過率を5倍程度増加させることができた。
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Research Products
(5 results)